論文や報告書、プレゼン資料をまとめていきます。
「本質的」・「シンプル」を実現する
イシューに沿ったメッセージを人に強く伝わる形でまとめます。
「本質的」・「シンプル」です。この段階まで研究開発を進めてきた人であれば、何が本質なのかわかってきていると思います。それをシンプルに伝えることを考えましょう。どうやって本質的・シンプルを実現するのか次から説明します。
経験上、理系の研究開発従事者はここが不得手です。せっかくいい仕事してるのに相手に伝わらないのはもったいない!ここが研究成果を認めてもらえるのか瀬戸際です。あともうひと頑張りです!
どのような状態になったらこのプロジェクトは終わるのか
伝えるものをまとめる前に、「どのような状態になったらこのプロジェクトは終わるのか」イメージを描きましょう。できるだけ具体的にイメージしましょう。学会での発表や上司に認めてもらう。客先やユーザーに認めてもらう。など、いろいろあると思います。プロジェクトの終わりの場合もあるでしょうし、第一段階終了という場合もあるでしょう。
賢いが無知
受け手は「賢いが無知」が基本です。「的確な伝え方」をすれば必ず理解してくれる存在として信頼します。”ひとつ、聞き手は完全に無知だと思え、ひとつ、聞き手は高度の知性を持つと想定せよ”です。
知識のギャップを埋める
論文やプレゼンは、聞き手・読み手と自分の知識のギャップを埋めることを考えましょう。
読み終わった時に、受け手が語り手と同じように問題意識を持ち、同じように納得して、同じように興奮してくれているのが理想です。
- 意味のある課題を扱っていることを理解してもらう
- 最終的なメッセージを理解してもらう
- メッセージに納得して行動に移してもらう
「何に答えを出すのか」という意識を前面に出す
そのうえで、「何に答えを出すのか」という意識を全面に出します。「なんとなく面白いもの」、「たぶん大切と思うのもの」は要りません。「本当にこれは面白い」、「本当にこれは大切だ」だけで伝えましょう。
ストーリーラインを磨きこむ3プロセス
- 論理構造を確認する
- 流れを磨く
- とっさに備える
次から説明していきます。
論理構造を確認する
論理構造が「Whyの並べ立て」なのか「空・雨・傘」なのかどちらかですっきり整理できていることを確認します。
WHYの並べ立て
WHYの並べ立ては、理由が一つくらい崩れても大丈夫です。
空・雨・傘
空・雨・傘は「空」の前提や「雨」の洞察が外れると「傘」がボロボロになります。
流れを磨く
「一つのテーマから次々とカギになるサブイシューが広がり、流れを見失うことなく思考が広がっていく」のが理想です。
リハーサルをやりながら修正
人を相手にした細かい仕上げの修正が効果的です。特にあまりその分野のことを知らない人が素朴な疑問や率直な意見を得られます。
説明がしにくい時は、不要なものが混ざっている
説明がしにくい時は、不要なものが混ざっていることが多いので、足すのでなく削る方向で修正していきましょう。
とっさに備える
トップに30秒で説明できるほに概要を簡潔に
WHYの並べ立てならWHYを伝えます。
空・雨・傘なら空(何が問題か)、雨(重要な洞察)、傘(問題の答え)を伝えます
チャートを磨きこむ
チャートは、「メッセージ」「タイトル」「サポート」の3要素からなります。一番下に情報源を書きましょう。
優れたチャートの3条件
イシューに沿ったメッセージがある
面白いデータだからというのは要りません。
縦と横の広がりに意味がある
分析は比較です。タテとヨコそれぞれの広がりに明確な意味あることです。
サポートがメッセセージを支えている
いえるはずのないことを言わず、言わんとするメッセージに即した適切なサポートを用意する。
コツ3選
1チャート1メッセージを徹底する
イシューに沿った明確なメッセージがあることを確認します。⇒しっかりと言葉に落としこむ。
何を言うか、何を言わないか。⇒2つ以上のことを言いたければチャートを分ける
タテとヨコの比較軸を磨く
明確な比較にはタテとヨコの広がりに明確な意味があります。人がチャートを見て最初に目が行くのは「メッセージ」と「全体のパターン」次がそのパターンを読み解くためのタテとヨコの軸です。
軸の選択をフェアにする
都合の良い比較だけでは正しい比較ができず、信用性がなくなります。必要な軸を全て並べるようにしましょう。
軸の順序に意味を持たせる
例えば、大きなものから小さなものへ、工程の順番など。意味のある順番に並べましょう。
軸を統合・合成する
軸を統合・合成して共通の軸を作りそれを重なり合わせることでシンプルに比較できます。ダブりもモレもなく比較の条件を整理しましょう。
軸の切り口を見直す
分析結果が明確なメッセージにならない場合、情報の切り口にノイズが含まれていることが多い。何らかの条件に心当たりがあればそれを掛け合わせることで軸をすっきりさせましょう。
それでもうまくいかないときは軸の基本単位を見直しましょう。
メッセージと分析表現を揃える
イシューに沿った形でメッセージを明確にしながら、情報を加えて分析表現を磨きこみます。その結果、単なるデータの集積でなく本当に何かを伝えるためのチャートが生まれます。