仮説の検証に実験計画が必要です。それぞれ専門的な実験計画の話は大学教授や会社の先輩にお任せするとして、ここでは一般的な実験計画法について説明します。
実験計画法
実験計画法とは、ある特定の観察対象について、それにどのような要因が影響を与えているかを実験によって究明しようとするとき、できるだけ少ない実験手続や観測によって、できるだけ多くの要因の効果を、可能な限り正確に分析しうる実験計画のたて方と、それに基づく分析方法を研究すること。
20世紀の初期に、イギリスの統計学者R・A・フィッシャーが、勤務していた農事試験場での農業実験について開発した考え方であり、その後、医学、薬学、工学、経営学、社会学など、広い分野で応用されています。
つまり、次の項目を解析する統計手法の総称です。
- 「取り上げる対象の結果にどの要因が影響を与えているか」
- 「その要因をどのような値に設定すれば結果がどれくらい良くなるのか」
基本原則
実験計画法の基本原則は3つあります。
局所管理化
影響を調べる要因以外のすべてを可能な限り一定にする。
反復
実験ごとの偶然のばらつき(誤差)の影響を取り除くため、同条件で反復する
無作為
上でも制御できない可能性の影響を除き、偏りを小さくするため条件を無作為化する。
STEP1:目的の確認
何のために何を測るか?実験結果をどのように利用するか?
STEP2:現実の誤差を小さく
偶然誤差以外の誤差は知識・技術を総動員して排除する。例えば次のような方法です。
- 層別
STEP3:実験の順番や回数を考える
実験の順序や配列による誤差を積極的に偶然誤差に変換する。例えば次のような方法です。
- ランダム化
- 実験回数を増やして誤差を減らす
STEP4:分散分析
分散(バラツキ)を分析して因子の水準を変えたことによる効果と偶然誤差に分離し有意差があるかどうかを確認する。例えば次のような方法です。
- 一元配列法
- 二元配列法
- 三元配列法
- 乱塊法